◆序 章
 日本最古の歴史書「古事記」・「日本書紀」に書かれた神代の物語は、神生み、国生みから始まって、高天原、出雲、日向と神々の活躍する舞台があります。これらの物語は神話と呼ばれていて、日向神話は、神代の終幕を飾る神話となっています。第四回「宮崎たまゆら温泉かぐら祭り」では、日向神話のハイライトを優美なオブジェにして、灯りの祭典として展開します。


1.「みそぎ伝説」

ホテル神田橋
 イザナキノミコトとイザナミノミコトは、夫婦神となって国土と三十五柱の神々を生んだが、イザナミは最後に火の神・カグツチを生む時、身を焼いて黄泉国(死雲の国)に行ってしまった。イザナキは黄泉国まで会いに行くが、悪霊に追われて逃げ帰った。イザナキは黄泉国で汚れた身を「みそぎ」によって清めようとして、「日向の橘の小門の阿波岐原」に来て「みそぎ」をした。江田神社とその近くにある御池、大淀川に沿った小門神社は、この神話を伝えている。「みそぎ」の最後にアマテラス、スサノオ、ツキヨミの三貴神が生まれ、やがてアマテラスの子孫が天降ることによって日向三代の神話が展開する。

2.「天の岩戸伝説」

ホテルプラザ宮崎
 太陽を象徴する女神・アマテラスオオミカミは、弟神・スサノオノミコトの乱暴に怒って、天の岩戸に引き篭もった。このため世界は闇に閉ざされて悪魔がはびこった。八百万の神々は相談して天の岩戸の前に祭りの舞台を作り、賑やかな祭礼を催した。アメノウズメノミコトが、陽気な舞で神々を喜ばせたので、アマテラスは岩屋の戸を少し開けて見ようとした。
 そのすきにタチカラオノミコトが、岩戸を押し開けアマテラスを連れ出したので、世界は光をとりもどして明るくなった。神楽の始まりを伝える神話。

3.「海幸彦・山幸彦物語」

宮崎観光ホテル
 アマテラスオオミカミは、孫のニニギノミコトを瑞穂の国(日本)に降臨させることにした。ニニギは神々を供にして、日向の高千穂の峰に降りた。
 高千穂峰には諸説があって、霧島の高千穂峰、県北の高千穂のくしふる峰、五ヶ瀬町の二上峰が伝承地となっている。地上に降りたニニギは、オオヤマズミノカミの娘・コノハナサクヤヒメと結婚した。コノハナは一夜の契りで皇子を生むことになったが、ニニギの子であることを証明するため、火をかけた産屋でお産をした。生まれた皇子が海幸と山幸である。海幸は海の獲物を取り、山幸は山の獲物を取って暮らした。
 ある時、道具を取り代えて獲物を取ることにしたが、山幸は兄の大事な針をなくして途方に暮れた。

4.「竜宮城物語」

宮崎グランドホテル
 山幸は、兄の釣り針をなくしたつぐないに、自分の剣をつぶして千本の釣り針を作って返そうとしたが、兄はなくした一本を求めて許さなかった。
 山幸は困って青島の海辺にきた。そこでシオツチノカミに教えられて海神国に探しにいくことにした。海神国に着くと、海神の娘トヨタマヒメに出会い歓迎されて、夢のような生活を送った。三年が経ったある日のこと、釣り針のことを思い出して心配顔になった。訳を知ったトヨタマま、海中の魚を集めて、釣り針を探してくれた。
 山幸は喜んで大きな鮫に乗り大急ぎで帰国した。その後、山幸は海神国でもらった宝玉の力で、争う兄の海幸を降参させた。
 海幸は、弟に従い後に隼人族の先祖になったという。

5.「神武天皇誕生」

ホテル金住
帰国した山幸の後をトヨタマが追ってきた。皇子が生まれるというので、鵜戸の岩屋に産屋を営んだ。トヨタマはお産の姿を見ないように頼んだが、山幸はこっそりと見てしまった。トヨタマは怒って乗ってきた亀にも告げず帰国した。しかし乳飲み子のために乳房を岩屋に押し付けて置いた。岩は乳を垂らすお乳岩となった。トヨタマは乳飲み子を気遣って妹のタマヨリを乳母として遣わした。この皇子は産屋の屋根を葺く鵜の羽根が間に合わなかったので、ウガヤフキアエズと呼ばれた。成長してタマヨリを妃とされ四人の皇子が生まれた。第四皇子・カムヤマトイハレヒコは、後に神武天皇となった。トヨタマを乗せてきた亀は、トヨタマを待ち続けて鵜戸の亀石になったという伝説がある。

3.「神武東征物語」

ホテル浜荘
 高原の狭野で成長したイハレヒコは、サノノミコトとも呼ばれた。やがて宮崎の宮(皇宮屋〜こぐや)で日向を治められたが、全国統一の構想を練り、船軍を率いて東方に向かうことになった。
 美々津の港から出港されたので、この地は「日本海軍発祥の地」と伝承されている。
 古事記・日本書紀ともに、船出の地は明記していないが、日向では美々津と伝承している。宮崎神宮は、神武天皇を祭っているが、「神武さま」と呼ばれて市民に親しまれている。

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